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2026年06月30日
ずさんな労務管理を放置するとどうなる?起きる問題や原因・対処法など徹底解説

労務管理がずさんだと、残業代の未払いや社会保険・労働保険手続きの漏れ、勤怠ミス、従業員トラブルが起きやすくなります。
小さな確認漏れでも放置すると、追加支払い・行政機関の指導・離職・採用への悪影響につながるため、早めの見直しが必要です。
本記事では、ずさんな労務管理を放置すると起きやすい問題や、その原因、見直すべきポイントを詳しく解説します。
私たち社会保険労務士事務所ダブルブリッジでは、給与計算のアウトソーシング、人事労務相談、助成金相談などに対応しています。
労務管理体制に不安がある場合や、担当者の退職・休職に備えて整えたい場合は、お気軽にご相談ください。
労務管理がずさんな場合に起きる問題

労務管理がずさんな状態のまま放置されると、さまざまな問題に発展するおそれがあります。
ずさんな労務管理で起こりやすい問題は、次の通りです。
- 賃金未払い・残業代追加支払い
- 従業員の不満・離職
- 行政機関からの指導・是正勧告
- ハラスメント放置
- 助成金の不受給・不支給
- 採用活動での悪影響
- 管理者の業務負荷増加
ここからは、それぞれの問題について詳しく見ていきましょう。
賃金未払い・残業代追加支払い
労務管理が不十分だと、給与計算や残業代の計算に誤りが生じやすくなります。
たとえば、次に挙げるミスが起こると、本来支払うべき賃金が不足するおそれがあります。
- 残業時間の集計漏れ
- 割増賃金の計算ミス
- 各種手当の支払い漏れ
未払い賃金が発生した場合、後から過去分をまとめて支払わなければならないこともあります。
1 賃金請求権の消滅時効期間の延長(労基法115条)
賃金請求権の消滅時効期間を5年(旧法では2年)に延長しつつ、
当分の間はその期間が3年とされています。
2 賃金台帳などの記録の保存期間の延長(労基法109条)
賃金台帳などの記録の保存期間を5年(旧法では3年)に延長しつつ、
当分の間はその期間が3年とされています。
3 付加金の請求期間の延長(労基法114条)
付加金を請求できる期間を5年(旧法では2年)に延長しつつ、
当分の間はその期間が3年とされています。
引用元:厚生労働省「未払賃金が請求できる期間などが延長されています」
金額が大きくなると、会社の資金繰りに影響するだけでなく、従業員との信頼関係に亀裂が入りかねません。
特に、勤怠管理と給与計算が別々に管理されていたり、手作業で集計していたりする場合は、確認漏れが起こりやすくなります。
賃金トラブルを防ぐためには、労働時間を正しく記録し、給与計算のルールを社内で明確にしましょう。
従業員の不満・離職
給与や労働時間の管理があいまいな職場では、従業員が不公平感を抱きやすくなります。
たとえば「残業したのに正しく反映されていない」「有給休暇を取りにくい」「人によって扱いが違う」と感じる状態が続くと、会社への不信感につながります。
労務管理の不備は、すぐにトラブルとして表に出るとは限りません。
しかし、不満が積み重なると、従業員のモチベーション低下や離職につながるおそれがあります。
また、優秀な人材が辞めてしまうと、残った従業員の負担が増え、さらに職場環境が悪化する可能性もあります。
離職を防ぐためにも、給与・労働時間・休暇・相談対応などの基本的な労務管理を整えておくことが重要です。
行政機関からの指導・是正勧告
労務管理に問題がある場合、労働基準監督署や年金事務所などから調査や指導を受けることがあります。
たとえば、次に挙げる問題などがある場合、改善を求められる可能性があります。
- 残業代の未払い
- 労働時間の管理不足
- 社会保険の手続き漏れ
- 必要書類の未整備
是正勧告や指導を受けた場合は、問題点を確認したうえで、是正報告書の提出や運用改善を行わなければなりません。
対応が遅れると、会社の負担がさらに大きくなることもあります。
社会保険労務士事務所ダブルブリッジでは、労働基準監督署や年金事務所などの調査対応、是正勧告への対応、是正報告書の作成をサポートしています。
労働基準監督署から指導を受けた場合や、どのように改善すればよいかわからない場合は、早めにご相談ください。
ハラスメント放置
職場でパワハラやセクハラなどの相談があったにもかかわらず、会社が適切に対応しないと、被害を受けた従業員の心身に負担がかかります。
また、相談窓口がない、対応ルールが決まっていない、管理職がどう対応すべきかわからないといった状態では、問題が表面化しにくくなります。
結果として、従業員が我慢し続けたり、退職したり、外部機関へ相談したりするケースもあるのです。
ハラスメント対策では、会社としての方針を明確にし、相談窓口を設け、相談があったときに速やかに事実確認を行う体制が必要です。
事業主が必ず講じなければならない具体的な措置の内容は以下のとおりです。
事業主の方針等の
明確化および周知・啓発
①職場におけるパワハラの内容・パワハラを行ってはならない旨の方針
を明確化し、労働者に周知・啓発すること
②行為者について、厳正に対処する旨の方針・対処の内容を就業規則等
文書に規定し、労働者に周知・啓発すること
相談に応じ、適切に
対応するために
必要な体制の整備
③ 相談窓口をあらかじめ定め、労働者に周知すること
④ 相談窓口担当者が、相談内容や状況に応じ、適切に対応できるよう
にすること
職場におけるパワハラ
に関する事後の
迅速かつ適切な対応
⑤ 事実関係を迅速かつ正確に確認すること
⑥ 速やかに被害者に対する配慮のための措置を適正に行うこと
⑦ 事実関係の確認後、行為者に対する措置を適正に行うこと
⑧ 再発防止に向けた措置を講ずること
(事実確認ができなかった場合も含む)
併せて講ずべき措置
⑨ 相談者・行為者等のプライバシーを保護するために必要な措置を講じ、
その旨労働者に周知すること
⑩ 相談したこと等を理由として、解雇その他不利益取り扱いをされない
旨を定め、労働者に周知・啓発すること
※労働者が事業主に相談したこと等を理由として、事業主が解雇その他の不利益
な取り扱いを行うことは、労働施策総合推進法において禁止されています。
引用元: 厚生労働省「労働施策総合推進法に基づく「パワーハラスメント防止措置」が中小企業の事業主にも義務化されます!」
問題が起きてから慌てて対応するのではなく、日頃から相談しやすい環境を整えましょう。
助成金の不受給・不支給
助成金は、条件を満たしていれば必ず受け取れるものではありません。
助成金ごとに必要書類や要件は異なるものの、申請には勤怠記録、賃金台帳、雇用契約書、就業規則、労働保険や社会保険の手続き状況など、日頃の労務管理が適正に行われていることが前提になります。
たとえば、次に挙げることに当てはまる場合、助成金の申請ができなかったり、不支給になったりするおそれがあります。
- 労働保険料の未納
- 賃金台帳の不備
- 雇用契約書の未整備
- 労働関係法令への違反
つまり、労務管理がずさんな状態では、本来活用できたはずの助成金の機会を逃してしまう可能性があるのです。
助成金を活用したい場合は、申請前だけでなく、普段から勤怠・賃金・雇用契約・社会保険などの管理を整えましょう。
採用活動での悪影響
労務管理体制の不備は、採用活動にも悪影響を与えます。
残業代の未払い、長時間労働、ハラスメントの放置、有給休暇の取りにくさなどがあると、求職者から「働きにくい会社」と見られる可能性があります。
近年は、求職者が求人票だけでなく、口コミサイトやSNS、職場情報を確認して応募先を選ぶことも珍しくありません。
労務トラブルが外部に伝わると、応募数の減少や内定辞退につながるおそれがあります。
また、求人票の内容と実際の労働条件に差がある場合も、入社後の不満や早期離職につながりかねません。
求人情報は、求職者に誤解を与えないよう、正確かつ最新の内容で表示する必要があります。
職業安定法施行規則が改正されました
求人企業・職業紹介事業者等が労働者の募集を行う場合・職業紹介を行う場合等には、募集する労働者の労働条件を明示することが必要ですが、令和6年4月1日からは、新たに以下の事項についても明示することが必要となります。
1 従事すべき業務の変更の範囲
2 就業の場所の変更の範囲
3 有期労働契約を更新する場合の基準に関する事項(通算契約期間又は更新回数の上限を含む)
引用元: 厚生労働省「令和6年4月より、募集時等に明示すべき事項が追加されます」
採用活動を安定させるためには、求人情報を正しく表示することはもちろん、実際の労務管理体制を整えておくことが大切です。
管理者の業務負荷増加
労務管理がずさんな状態では、経営者や管理職がトラブル対応に追われやすくなります。
たとえば、勤怠の修正、未払い賃金の確認、従業員からの相談対応、行政機関への報告、再発防止策の検討など、本来であれば発生しなかった業務が増えてしまいます。
その結果、管理者が注力したかった業務に時間を使えなくなるおそれがあるのです。
問題が起きるたびに対応していると、社内全体の生産性も下がりかねません。
労務管理は、問題が起きてから整えるのではなく、日頃から仕組みとして整備しておくことが大切です。
勤怠管理、給与計算、就業規則、相談体制などを見直しておけば、トラブルの予防だけでなく、管理者の負担軽減にもつながります。
労務管理がずさんになる原因

労務管理がずさんになる原因は、担当者個人の注意不足だけではありません。
業務の進め方が決まっていない、特定の人に任せきりになっている、古いルールのまま運用しているなど、会社の仕組みに原因があるケースも多くあります。
労務管理がずさんになりやすい主な原因は、次の通りです。
- 業務が特定の担当者へ集中しているため
- 管理方法が紙・口頭などの自己申告になっているため
- 就業規則・制度を長年見直していないため
- 法改正・制度変更を確認できていないため
ここからは、それぞれの原因について詳しく見ていきましょう。
業務が特定の担当者へ集中しているため
労務管理業務を特定の担当者だけに任せていると、その担当者が休職・退職したときに給与計算や手続きの確認が滞るおそれがあります。
特に、手順がマニュアル化されていない場合や、担当者の経験だけで処理方法が管理されている場合は注意が必要です。
引き継ぎがうまくできず、給与計算のミス、届出の遅れ、書類の作成漏れなどにつながるおそれがあります。
給与計算を引き継ぐ場合は、2~3か月ほど並行して確認する期間を設けておくと安心です。
また、労務管理を安定させるには、担当者だけに頼るのではなく、業務手順を整理し、複数人で確認できる状態にしておくことが大切です。
必要に応じて、クラウド勤怠システムや給与計算システムを導入したり、給与計算を外部へ委託したりすることを検討しましょう。
管理方法が紙・口頭などの自己申告になっているため
勤怠管理を紙の出勤簿、口頭報告、後からの自己申告だけで行っていると、記録漏れや転記ミスが起こりやすくなります。
たとえば、出勤・退勤時刻の記入忘れ、休憩時間の記録漏れ、残業時間の申告漏れなどがあると、正しい労働時間を把握できません。
その結果、残業代の計算ミスや、長時間労働の見落としにつながる可能性があります。
もちろん、自己申告による管理がすべて問題というわけではありません。
しかし、実際の勤務状況と申告内容にズレがないかを確認できる仕組みがなければ、労務管理の正確性は低くなります。
勤怠管理を適正に行うためには、タイムカード、ICカード、勤怠管理システムなど、客観的に確認できる方法を導入しましょう。
紙や口頭での管理が続いている場合は、まず記録方法を見直すところから始めることが重要です。
就業規則・制度を長年見直していないため
就業規則や社内制度を長年見直していないことも、労務管理がずさんになる原因の一つです。
会社のルールは、一度作れば終わりではありません。
働き方の変化、法改正、従業員数の増加、雇用形態の多様化などに合わせて、内容を見直す必要があります。
古い就業規則のまま運用していると、実際の働き方とルールが合わなくなるおそれがあるため注意が必要です。
たとえば、現場の運用と規則の内容がズレてしまうケースとして、次のことが挙げられます。
- 残業代の計算方法
- 有給休暇の取り扱い
- 育児・介護休業制度
- ハラスメント対応
- 副業・兼業
- テレワーク
ルールがあいまいなままだと、担当者や管理職ごとに判断が分かれ、従業員から「人によって対応が違う」と不満を持たれる原因にもなります。
労務トラブルを防ぐためには、就業規則や社内制度を定期的に確認し、現在の法律や実態に合った内容へ整えておくことが重要です。
法改正・制度変更を確認できていないため
労務管理に関する法律や制度は、定期的に見直されています。
そのため、以前は問題なかった運用でも、法改正後には見直しが必要になる場合があります。
たとえば、次のような内容は会社の実務に深く関わる項目です。
- 割増賃金率
- 有給休暇
- 育児・介護休業制度
- ハラスメント防止措置
- 労働条件の明示
- 社会保険の適用範囲
変更内容を確認しないまま古い運用を続けると、知らないうちに法令違反や社会保険などの手続き漏れが発生するおそれがあります。
特に中小企業の場合、経営者や総務担当者がほかの業務と兼任しながら労務管理を行っていることも多く、法改正の情報を追い続けるのが難しい場合もあります。
だからこそ、社内だけで判断せず、定期的に専門家へ相談することが大切です。
社会保険労務士事務所ダブルブリッジでは、法改正に合わせた就業規則の作成・改定や、労務管理に関する相談に対応しています。
現在の社内ルールが今の制度に合っているか不安な場合は、早めにご相談ください。
ずさんな労務管理の対処法

労務管理を改善するには、毎月・毎年きちんと確認できる仕組みを作ることが大切です。
ずさんな労務管理を立て直す方法は、次の通りです。
- 労働時間を正確に把握する
- 就業規則と実態を合わせる
- 給与計算を見直す
- 従業員相談ルールを整える
- 法改正への対応体制を作る
ここからは、それぞれの対処法について詳しく見ていきましょう。
労働時間を正確に把握する
まず見直したいのが、労働時間の管理方法です。
出勤・退勤の時刻、休憩時間、残業時間を正しく把握できていないと、残業代の未払い、長時間労働の見落とし、勤怠データと給与計算のズレが起こりやすくなります。
残業が発生する会社では、36協定の締結状況と、所轄労働基準監督署長への届出状況も確認が必要です。
(※1)36(サブロク)協定とは
時間外労働(残業)をさせるためには、36協定が必要です!
労働基準法では、労働時間は原則として、1日8時間・1週40時間以内とされています。これを「法
定労働時間」といいます。
法定労働時間を超えて労働者に時間外労働(残業)をさせる場合には、
労働基準法第36条に基づく労使協定(36協定)の締結
所轄労働基準監督署長への届出
が必要です。
引用元: 厚生労働省「36協定で定める時間外労働及び休日労働について留意すべき事項に関する指針」
36協定を締結していても、時間外労働を無制限に行わせられるわけではありません。
時間外労働の上限は、原則として月45時間・年360時間です。
特別条項を設ける場合でも、年720時間以内、複数月平均80時間以内、月100時間未満などの上限があります。
(※2)時間外労働の上限規制とは
36協定で定める時間外労働時間に、罰則付きの上限が設けられました!
2018(平成30)年6月に労働基準法が改正され、36協定で定める時間外労働に罰則付きの上限が設
けられることとなりました(※)。 (※)2019年4月施行。ただし、中小企業への適用は2020年4月。
時間外労働の上限(「限度時間」)は、月45時間・年360時間となり、臨時的な特別の事情がなけれ
ばこれを超えることはできません。
臨時的な特別の事情があって労使が合意する場合でも、年720時間、複数月平均80時間以内(休日労
働を含む)、月100時間未満(休日労働を含む)を超えることはできません。また、月45時間を超え
ることができるのは、年間6か月までです。
引用元: 厚生労働省「36協定で定める時間外労働及び休日労働について留意すべき事項に関する指針」
紙の出勤簿や口頭での申告だけに頼っている場合は、記入漏れや転記ミスが発生しやすいため注意が必要です。
タイムカード、ICカード、勤怠管理システムなどを活用し、客観的に確認できる記録を残す体制へ見直しましょう。
また、打刻漏れ、休憩の未取得、固定残業代に含まれる時間の超過、休日労働の有無などを、月末だけでなく定期的に確認することも効果的です。
労働時間を正確に把握できれば、未払い残業代の防止だけでなく、従業員の働きすぎを早めに把握することにもつながります。
就業規則と実態を合わせる
就業規則は、会社の労働時間、休日、賃金、休暇、服務規律などを定める大切なルールです。
しかし、就業規則の内容と実際の運用がずれていると、トラブルの原因になります。
たとえば、トラブルに発展するおそれのあるケースは次の通りです。
- 就業規則では残業の申請ルールが決まっているのに現場では守られていない
- 有給休暇の取り扱いが実態と合っていない
- 育児・介護休業制度やハラスメント対応のルールが古いままになっている
こうした状態では、従業員から「ルールがわかりにくい」「人によって対応が違う」と不満を持たれやすくなります。
就業規則を見直す際は、現在の法律に合っているかだけでなく、実際の働き方と合っているかも確認しましょう。
規則を変更した場合は、従業員に内容を周知し、現場で迷わず運用できる状態にすることが大切です。
給与計算を見直す
勤怠管理を整えても、給与計算の方法に誤りがあれば、未払い賃金や残業代の不足が発生する可能性があります。
給与計算では、以下の項目などを正しく処理できているか確認する必要があります。
- 基本給
- 各種手当
- 残業代
- 休日労働
- 深夜労働
- 固定残業代
特に注意したいのが、固定残業代を導入している場合です。
固定残業代を支払っていても、実際の残業時間が固定残業代に含まれる時間外労働時間を超えた場合は、超過分の支払いが必要になります。
また、割増賃金の計算に使う基礎単価に、どの手当を含めるのかも確認が必要です。
会社独自の判断で計算していると、後から未払いを指摘されることがあります。
給与計算を見直す際は、次のような項目を確認しましょう。
| 確認項目 | 見直すポイント | 確認タイミング |
|---|---|---|
| 勤怠データ | 出勤・退勤、休憩、残業、休日労働が正しく反映されているか | 毎月の給与計算前 |
| 割増賃金 | 時間外労働・休日労働・深夜労働の計算に誤りがないか | 毎月の給与計算時 |
| 固定残業代 | 固定残業時間を超えた分を追加支給しているか | 毎月の給与計算時 |
| 各種手当 | 割増賃金の基礎に含めるべき手当を正しく扱っているか | 手当の新設・変更時、年1回 |
| 給与明細 | 従業員が内容を確認しやすい表示になっているか | 給与明細の様式変更時、年1回 |
給与計算は毎月発生する業務のため、小さなミスでも積み重なると大幅な負担になります。
不安がある場合は、給与計算のルールやシステム設定を早めに確認しましょう。
従業員相談ルールを整える
ハラスメントやメンタル不調などの問題を防ぐには、従業員が安心して相談できるルールを整えることが大切です。
相談先がわからない、相談しても対応してもらえるかわからない状態では、問題が表面化しにくくなります。
従業員相談のルールでは、相談窓口を決めるだけでなく、相談を受けた後の流れまで明確にしておく必要があります。
誰が相談を受けるのか、どのように事実確認を行うのか、相談者のプライバシーをどう守るのか、再発防止策をどう検討するのかを整理しましょう。
また、相談した従業員が不利益な扱いを受けないようにすることも重要です。
「相談すると職場で不利になる」と思われてしまうと、従業員は問題を抱え込んでしまいます。
社内だけで対応が難しい場合は、外部相談窓口の設置や、社会保険労務士などの専門家への相談もおすすめです。
相談体制を整えることで、トラブルの早期発見と職場環境の改善につながります。
法改正への対応体制を作る
労務管理に関する法律や制度は、定期的に変更されます。
そのため、法改正があったときだけ慌てて対応するのではなく、継続的に確認できる体制を整えましょう。
たとえば、労働条件の明示、育児・介護休業制度、ハラスメント防止措置、割増賃金、社会保険の適用範囲などは、会社の実務に直接関わる項目です。
変更内容を確認しないまま古いルールで運用していると、知らないうちに法令違反や手続き漏れにつながるおそれがあります。
法改正への対応では、次のような仕組みを作っておくと安心です。
| 対応内容 | 具体的な進め方 |
|---|---|
| 情報収集 | 法改正や制度変更を確認する担当者を決める |
| 定期確認 | 就業規則や社内制度を定期的に見直す |
| 社内周知 | 変更内容を管理職や従業員へわかりやすく伝える |
| 実務への反映 | 勤怠管理・給与計算・社内書式に変更内容を反映する |
| 専門家への相談 | 判断に迷う内容は社会保険労務士へ確認する |
特に定期的な確認と専門家に相談できる仕組みを整えておくと、法律や制度の変更があった際にも、慌てずに対応しやすくなります。
ずさんな労務管理の改善には専門知識が必要!社労士に依頼するのがベスト

ずさんな労務管理を改善するには、勤怠管理、給与計算、就業規則、社会保険手続き、ハラスメント対応、法改正への対応などを幅広く見直す必要があります。
そのため、社内だけで対応しようとすると、どこから直せばよいのか分からなかったり、法令に沿った判断が難しかったりするケースも少なくありません。
社労士に依頼すれば、自社の状況に合わせて課題を整理し、労務トラブルを防ぐための体制づくりを進めやすくなります。
社労士に依頼する主なメリットは、次の通りです。
| 社労士に依頼するメリット | 内容 |
|---|---|
| 問題が大きくなる前に相談できる | 労務管理の専門家に日常的に相談できるため、小さな違和感や不安の段階で対策を取りやすくなる |
| 労働基準監督署への対応について相談しやすい | 労働基準監督署や年金事務所から調査・指導を受けた場合も、必要書類の整理や是正報告書の作成などを相談できる |
| 給与計算や社会保険・労働保険の手続きを相談できる | 毎月の給与計算や社会保険・労働保険の手続きを任せることで、担当者の負担軽減やミスの防止につながる |
| 助成金活用を視野に入れられる | 助成金の申請には、勤怠・賃金・雇用契約などの整備が必要なため、申請前の体制づくりから進めやすくなる |
| 法改正への対応漏れを防ぎやすい | 労働関係の法律や制度の変更があった際にも、就業規則や給与計算ルールの見直しを進めやすくなる |
労務管理に不安がある場合や、社内だけで改善を進めるのが難しい場合は、問題が大きくなる前に社労士へ相談することが大切です。
継続的な労務管理体制づくりが会社を守る!ずさんさを放置せず早めに見直そう

ずさんな労務管理を放置すると、未払い賃金や離職、行政指導、採用への悪影響につながるおそれがあります。
勤怠や給与、就業規則などは互いに関わるため、早めの見直しが大切です。
不安がある場合は、社労士へ相談を検討しましょう。
社会保険労務士事務所ダブルブリッジでは、企業ごとの状況に合わせて、人事・労務に関するご相談や各種手続きを継続的にサポートしています。
社会保険労務士4名を含む9名の専門スタッフが在籍しているため、労務管理の見直しもご相談いただけます。
「労務管理を改善したい」「労務管理に不安がある」という企業の担当者の方は、お気軽にご相談ください。

