INFORMAITION

お知らせ

2026年06月01日

10人以上の企業では就業規則が必要?ない場合のリスクや記載すべき内容を徹底解説!




従業員が増えてきた会社では、労働時間や休日、賃金、退職時の手続きなど、職場の基本ルールを明らかにしておくことが大切です。

特に、常時10人以上の従業員が働く事業場では、労働基準法により就業規則の作成と労働基準監督署への届出が義務になります。


就業規則がない、または内容が実態に合っていない状態のままにすると、残業代、年次有給休暇、退職、懲戒処分などをめぐって従業員との認識のズレが生じかねません。


この記事では、常時10人以上の従業員がいる企業で就業規則がない場合のリスクや、就業規則に記載すべき内容について解説します。

社会保険労務士事務所ダブルブリッジでは、常時10人以上の要件に該当するかどうかの確認から、就業規則の作成・届出までご相談を承っております。

自社が義務対象か判断に迷う場合は、早めにご相談ください。


お問合せはこちら


「常時10人以上」の場合、就業規則の作成・届出が義務



常時10人以上の従業員が働く事業場では、就業規則の作成と所轄の労働基準監督署への届出が法律上の義務になります。

ここでいう「10人以上」とは、出勤日ごとの人数ではなく、常時事業場に所属して働いている従業員数で判断する考え方です。

正社員だけでなく、契約社員やパート、アルバイトも含めて数える点に注意しましょう。


また、複数の店舗や営業所がある会社では、会社全体の人数だけで判断せず、事業場ごとに10人以上かどうかを確認しましょう。

たとえば、会社全体で30人いても各店舗が5人ずつであれば、店舗単位では10人未満と判断される場合があるのです。

一方で、1つの営業所に常時10人以上が所属している場合は、該当の営業所について就業規則の作成・届出義務が生じます。



第89条(作成及び届出の義務)


第八十九条 常時十人以上の労働者を使用する使用者は、次に掲げる事項について就業規則を作成し、行政官庁に届け出なければならない。次に掲げる事項を変更した場合においても、同様とする。


引用元:労働基準法 | 第89条



就業規則には以下の内容を記載しましょう。



  • 始業・終業時刻

  • 休憩

  • 休日

  • 休暇

  • 賃金の決め方や支払方法

  • 退職に関する事項(解雇の事由を含む)


労働者の過半数で組織する労働組合、または労働者の過半数を代表する者の意見を聴いたうえで、その意見書を添付して、所轄の労働基準監督署へ届け出る流れになります。


対応を怠ると、労働基準監督署から是正を求められるおそれがあります。

さらに、作成義務・届出義務に違反した場合は30万円以下の罰金の対象になるため、従業員数が10人前後になった段階で早めに確認しておくことが大切です。



労働基準法においては、常時10人以上の労働者を使用する使用者に、就業規則の作成義務が課せられており、


決められた事項を記載して、所轄労働基準監督署長に届け出なければならないと規定されています(労基法第


89条)。この作成義務に違反しますと30万円以下の罰金が科されます(労基法第120条第1号)。


引用元:厚生労働省「中小企業のための就業規則講座 就業規則作成・見直しのポイント



10人未満でも就業規則を整備しておくと安心


常時10人未満の事業場では、法律上、就業規則の作成・届出義務はありません。

ただし、義務がないからといって、職場のルールを整備しなくてよいわけではありません。


就業規則がない職場では、残業の申請方法や年次有給休暇の取り方、遅刻・欠勤時の扱い、退職時の手続きなどがあいまいになりがちです。

最初は職場のルールを口頭で説明するだけ、というケースもあるかもしれません。


しかし、口頭だけで一定期間は問題が起きなくても、従業員が増えたり、働き方が変わったりすると、会社と従業員の認識がズレやすくなります。


特に中小企業では、社長や担当者の判断でその都度対応しているうちに、従業員ごとにルールの解釈などが変わってしまうことがあります。

公平な運用を続けるためにも、10人未満の段階から基本的なルールを文書にまとめておくと安心です。


就業規則がないと起きるトラブル



就業規則がない職場では、会社と従業員の間で判断基準が共有されにくくなり、労務トラブルが起きやすくなります。

代表的なトラブルは、次の通りです。



  • 解雇・残業・休暇をめぐるトラブルが起きやすい

  • 判断基準があいまいになり、不公平感が生じやすい

  • 常に会社側が説明を求められる


ここからは、就業規則がないと起きるトラブルについて詳しく見ていきましょう。


解雇・残業・休暇をめぐるトラブルが起きやすい


就業規則がないと、解雇や残業、休暇などの扱いがあいまいになりやすくなります。

たとえば、問題行動がある従業員に注意や処分をしたい場合でも、「どのような行為が処分の対象になるのか」を明文化していなければ、会社の判断に納得してもらえないおそれがあるのです。


また、残業の申請方法や残業代の計算方法、年次有給休暇の取り方がはっきりしていないと、会社と従業員の認識がずれやすくなります。

会社側はきちんとルールに則って運用しているつもりでも、従業員側から見ると「聞いていない」「人によって差がある」と受け取られる場合があります。


特に解雇や懲戒処分は、後から会社が理由を説明しても、就業規則に根拠がなければ判断が不安定になりやすい部分です。

就業規則であらかじめルールを定め、従業員に周知しておくことで、トラブルを防ぎやすくなります。


判断基準があいまいになり、不公平感が生じやすい


就業規則がない職場では、上司や経営者の判断がそのままルールとなってしまう場面が増えます。

すると、同じような遅刻や欠勤でも、人によって注意のされ方が違う、ある人にだけ厳しい、といった不満につながりやすくなります。


会社に悪意がなくても、基準が文書になっていなければ、従業員からは「感情で判断されている」「好き嫌いで決めている」と見られるおそれがあるのです。

特に服務規定や懲戒、休職、退職、賃金、休暇などは従業員の生活にも関わるため、不公平感がトラブルに直結しやすい項目です。


就業規則を整えておけば、会社は共通のルールに沿って対応しやすくなります。

従業員にとっても、何を守ればよいのか、どのような場合に注意や処分の対象になるのかが明確になります。


常に会社側が説明を求められる


就業規則がない場合、会社はその都度、「なぜその判断をしたのか」を説明しなければなりません。

たとえば、懲戒処分や休職、退職時の対応などで従業員から根拠を問われたときに、明文化されたルールがなければ説明が難しくなります。


特に、トラブルが起きた後に「会社では以前からこうしていた」と説明しても、従業員からは後付けの説明だと受け取られる場合があります。


就業規則を作成し、従業員にきちんと周知しておけば、会社は規定に基づいて対応することが可能です。

就業規則は従業員との約束ごとを整理するだけでなく、会社を守るための根拠にもなるため、常時10人以上の事業場では早めに整備しましょう。


10人以上の中小企業で就業規則が作れない理由



常時10人以上の従業員がいる事業場では、就業規則の作成・届出が必要です。

しかし、中小企業では日々の業務に追われ、整備が後回しになっている場合があります。

就業規則の作成が進まない主な理由は、次の通りです。



  • 業務多忙で作業を後回しにする

  • モデル規則やテンプレートで済ませようとする

  • 必要な記載事項が多く、何を書けばいいか分からない


中小企業では、経営者や総務担当者が日常業務を兼任していることも多いものです。


そのため「従業員が10人を超えたら対応しなければ」と分かっていても、採用、給与計算、勤怠確認、社会保険手続きなどが優先され、就業規則の整備が後回しになりやすいのです。


また、就業規則を作る際に、インターネット上のテンプレートやモデル就業規則をそのまま当てはめようとする会社もあります。

ひな形は全体像をつかむ参考にはなるものの、社名だけを入れ替えた就業規則では、いざというときに機能しないおそれがあります。


さらに初めて就業規則を作る会社では、「どこまで書くべきか」「自社にない制度まで書くべきか」「法律と社内ルールのどちらを優先して考えるべきか」で迷うことも少なくありません。



就業規則を作成する際は、法律上必要な内容を押さえたうえで、自社の勤務実態に合わせて整理することが大切です。

10人以上の中小企業では、義務を満たすだけでなく、従業員との認識違いを防ぐための実務上のルールとして整えましょう。


10人以上の現場で最低限必要な就業規則



常時10人以上の従業員がいる事業場では、就業規則に書くべき内容が法律で定められています。

就業規則は勤務時間や賃金だけをまとめた書類ではなく、休暇や退職、服務規律、懲戒など、職場で働くうえでの基本ルールを整理するものです。

中小企業がまず整えておきたい主な項目は、次の表の通りです。


項目最低限記載したい内容
労働時間・休憩・休日・休暇・始業時刻、終業時刻、休憩時間、休日、年次有給休暇、育児休業、介護休業などの取り方
※シフト制や交替制勤務がある場合は、勤務を交替する際のルールも記載
賃金・基本給、手当、締切日、支払日、支払方法、昇給に関するルール※残業代や休日労働の割増賃金についても記載
退職・解雇・定年、自己都合退職の申し出期限、退職時の手続き、解雇となる理由や手順※退職や解雇はトラブルになりやすいため、会社側の判断基準を明らかにする
服務規律・表彰・制裁・遅刻、早退、欠勤、ハラスメント禁止、情報管理、会社備品の扱いなど、従業員が守るべき職場ルール※懲戒処分を行う場合は、対象となる行為や処分の種類も記載
安全衛生・災害補償・職場の安全管理、健康管理、業務中のけがや病気への対応など※業種によっては、衛生管理などに関するルールも記載


常時10人以上に該当する事業場では、届出義務を満たすだけでなく、日常の労務管理に合う内容へ整えておきましょう。


自社に合った就業規則を整備するには?


就業規則は、会社の実態に合わせて作ることが重要です。

同じ中小企業でも、業種や従業員数、勤務時間、シフトの有無、在宅勤務の有無、手当の種類などは会社ごとに異なります。

自社に合った就業規則にするための主な観点は、次の通りです。


観点整理する内容
会社規模に合わせる・従業員数、管理職の人数、部署数、店舗数などに合わせて、承認ルートや届出方法※少人数の会社では、複雑すぎるルールにすると運用が続きにくい
業種に合わせる・製造業では安全衛生、飲食業や小売業ではシフト管理、介護・福祉業では夜勤や休憩、IT業では在宅勤務や情報管理など、業種ごとの注意点
働き方に合わせる・固定時間制、シフト制、変形労働時間制、フレックスタイム制、在宅勤務など、自社の働き方に合った労働時間のルール
給与計算の内容に合わせる・手当、割増賃金、欠勤控除、遅刻早退控除、締切日、支払日など※実際の給与計算とずれないように注意


特に常時10人以上の事業場では、作成・届出義務への対応とあわせて、従業員に説明しやすく、会社としても運用しやすい内容にしておきましょう。


10人以上の会社が就業規則を作る場合に起きやすいミス



常時10人以上の従業員がいる事業場では、就業規則の作成と届出が必要です。

ただし、急いで形だけ整えると実際の働き方と合わない就業規則になり、かえってトラブルの原因になる場合があります。

よくあるミスは、次の通りです。



  • ネット上のテンプレートをそのまま流用してしまう

  • 自社の実態と合わない内容で作ってしまう

  • 法改正を反映せず、古い内容のまま運用してしまう



ひな形は全体の構成を確認する参考にはなるものの、社名だけを入れ替えた就業規則では、自社の働き方に合わない内容になるおそれがあります。


また、休暇の申請方法、残業の承認方法、遅刻・早退時の扱い、退職時の申し出期限なども、実際の社内運用とずれやすい項目です。


さらに、就業規則は一度作成すれば何年もそのままでよい書類ではありません。

労働時間、育児・介護休業、ハラスメント対策、年次有給休暇、賃金に関するルールなど、労務関係の法改正に合わせて見直すべき場面があります。



会社としては以前からの規則通りに対応しているつもりでも、実際には法令に合わない扱いになっている場合があるため注意が必要です。


特に常時10人以上の事業場では、就業規則の作成・届出だけでなく、その後の改定管理も重要です。

法改正や社内制度の変更があった場合は、就業規則の内容を確認し、必要に応じて改定と届出を行いましょう。

社会保険労務士事務所ダブルブリッジでは、法改正にも即した自社オリジナルの就業規則作成・改定に対応しております。


ひな形の流用ではなく、会社規模、業種、実際の働き方に合わせて整備したい場合は、ぜひご相談ください。


お問合せはこちら


10人以上の会社が就業規則作成を専門家に依頼するメリット



常時10人以上の事業場では、就業規則の作成と届出が必要になります。

ただし、就業規則はひな形を埋めればよい書類ではなく、法律上の記載事項や自社の働き方、給与計算、休暇管理、退職時の対応などを整理したうえで作ることが大切です。

専門家に依頼する主なメリットは、次の通りです。



  • 自作時のリスクが回避できる

  • 自社に合わせた規則ができる

  • 最新の法制度に対応できる



ここからは、それぞれのメリットについて見ていきましょう。


自作時のリスクが回避できる


就業規則を自社のみで作る場合、法律上記載しなければならない項目が抜けたり、自社の運用に合わない条文が残ったりするおそれがあります。

たとえば、始業・終業時刻や休憩、休日、休暇、賃金、退職に関するルールは、就業規則の中でも特に重要な項目です。


また、就業規則は作成するだけでは足りません。

常時10人以上の事業場では、労働者の過半数を代表する者の意見を聴いたうえで、所轄の労働基準監督署へ届け出ます。

自作の場合、内容だけでなく、意見聴取、意見書の作成・添付、届出の進め方で迷う会社も少なくありません。


社労士に依頼すれば、法律上の要件を確認しながら、会社の実態に合う内容へ整理しやすくなります。

後から労働基準監督署から指摘を受けたり、従業員からルールの根拠を問われたりするリスクを抑えやすくなる点がメリットです。


自社に合わせた規則ができる


就業規則は、会社ごとの働き方に合わせて作ることが重要です。

同じ10人以上の会社でも、固定時間勤務やシフト制、交替制、在宅勤務、短時間勤務など、働き方は会社によって異なります。

業種によっても、重視すべき項目は変わります。


たとえば、製造業では安全衛生や作業ルール、飲食業や小売業ではシフト管理や欠勤時の連絡、IT業では在宅勤務や情報管理のルールが重要になりやすい項目です。

テンプレートをそのまま使うと、自社にない制度が入ったり、反対に必要なルールが抜けたりする場合があります。


社労士に依頼すれば、会社規模や業種、勤務形態、給与計算、休暇管理、退職時の手続きなどを確認したうえで、実際に運用できる就業規則へ整えやすくなります。

従業員へ説明しやすく、会社側も判断に迷いにくい規則を作れる点がメリットです。


最新の法制度に対応できる


労務関係法令は改正が続くため、就業規則も定期的な見直しが欠かせません。

育児・介護休業や労働条件の明示、年次有給休暇、ハラスメント対策、労働時間管理などは、会社のルールに影響しやすい分野です。


古い就業規則をそのまま運用していると、作成当時は問題がなかった条文でも、現在の法律や社内制度に合わなくなる場合があります。

会社としては従来通りに対応しているつもりでも、従業員との認識違いや法令面の問題につながるおそれもあります。


社労士に依頼すれば、作成時だけでなく、法改正や社内制度の変更に合わせた見直しも進めやすくなるのがメリットです。

常時10人以上の事業場では、就業規則を作って届け出るだけでなく、現行の法律と実際の働き方に合った状態で管理していくことが大切です。


従業員10人以上の会社は就業規則の整備と運用を見直そう



就業規則は、会社と従業員が共通の基準で働くためのルールブックです。

常時10人以上の事業場では、就業規則の作成と届出が法律上の義務になるものの、形だけ整えても、現場で運用できない内容であれば十分とはいえません。


大切なのは、実際の労働時間や休暇の取り方、残業申請、退職時の手続き、懲戒処分の基準などが、自社の実態やリスクに合っていることです。


また、就業規則は作成して終わりではありません。

法改正や社内制度の変更、従業員数の増加に合わせて見直すことで、会社と従業員の認識のズレを防ぎやすくなるのです。


社会保険労務士事務所ダブルブリッジでは、社会保険労務士4名を含む9名の専門スタッフが在籍しており、企業ごとの実情に合わせた就業規則の作成・改定に対応しております。


制度設計から条文の作成、意見書の取得、労働基準監督署への届出、従業員への説明まで、就業規則の整備に必要な流れをまとめてご相談いただけます。



一般的なひな形ではなく、自社の働き方に合う内容へ整えたい場合は、お気軽にお問い合わせください。


お問合せはこちら


TOP