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2026年04月06日

労務管理の課題とは?解決方法や相談先を解説



労務管理は、従業員が安心して働ける環境を整え、会社を安定して運営するうえで欠かせない業務です。

ただ、タイムカードや紙の出勤簿、Excelへの手入力に頼った運用では、打刻漏れや計算ミスが起こりやすくなります。



その結果、未払い残業代、長時間労働、手続き漏れ、従業員との認識のずれといった問題につながりかねません。

本記事では、労務管理で起こりやすい課題、見直しの進め方、相談先について、社会保険労務士事務所の立場からわかりやすく解説します。

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企業が抱える労務管理の主な課題



労務管理でつまずきやすい主な課題は、次の通りです。



  • 労働時間管理の課題

  • 給与計算の課題

  • 法改正対応の課題

  • 労務トラブルの課題


労務管理の問題は、どれか1つだけで起こるとは限りません。

勤怠の記録があいまいだと給与計算にも影響し、社内ルールの整備不足はトラブルにもつながります。

ここからは、事業者が抱えやすい課題を順番に解説します。


労働時間管理の課題


労働時間管理でまず問題になりやすいのは、実際の勤務時間を正しく把握できていないことです。

紙の出勤簿やExcel中心の運用では、打刻漏れ、記入漏れ、修正の見落としが起こりやすくなります。

担当者が手作業で集計している場合は、確認に時間がかかるうえ、残業時間の把握も遅れがちです。


また、申告された時間と実際の働き方にずれが出ても、そのまま見過ごされることがあります。

始業前の準備、終業後の片付けなどが記録に反映されていないと、残業時間を正しく管理できません。

こうした状態が続くと、長時間労働や未払い残業代の問題につながりやすくなります。


また、従業員に時間外労働や休日労働をさせる場合には、労働基準法にもとづく「36協定(時間外・休日労働に関する協定)」を締結し、労働基準監督署へ届け出ておく必要があります。



⚫︎労働基準法では、労働時間は原則として、1日8時間・1週40時間以内とされています。これを「法定労働時間」といいます。


⚫︎法定労働時間を超えて労働者に時間外労働(残業)をさせる場合には、


  ✔︎労働基準法第36条に基づく労使協定(36協定)の締結


  ✔︎所轄労働基準監督署長への届出


が必要です。


⚫︎36協定では、「時間外労働を行う業務の種類」や「1日、1か月、1年当たりの時間外労働の上


限」などを決めなければなりません。


引用元: 厚生労働省「36協定で定める時間外労働及び休日労働について留意すべき事項に関する指針



中小企業では、少人数で管理しているため、日々の確認が担当者任せになりやすい傾向があります。

だからこそ、記録方法を整え、残業時間や休日労働を早い段階で確認できる形にしておきましょう。


給与計算の課題


給与計算は、勤怠の集計結果や賃金規程、手当のルールなどをもとに正しく支給額を出す業務です。

そのため、勤怠管理が不安定だと、給与計算にもそのまま影響します。

残業時間や深夜勤務、欠勤控除、有給休暇の扱いなどが整理できていないと、計算ミスが起こりかねません。


とくに、Excelや手計算に頼っている場合は、入力ミスや確認漏れが起きやすく、毎月の給与計算に余計な時間がかかります。

従業員ごとに勤務形態や手当のルールが異なる会社では、計算はさらに複雑になります。


給与計算の課題を減らすには、まず勤怠データを正しくそろえることが大切です。

そのうえで、残業や手当の計算ルールを社内で統一し、担当者しか分からない状態をなくしておく必要があります。


法改正対応の課題


労務管理では、法改正への対応が遅れることも課題です。

労働時間、残業、労働条件の明示、社会保険の加入条件、ハラスメント対応など、労務に関わるルールは見直しが入ることがあります。

内容を把握しないまま今まで通りの運用を続けていると、知らないうちに実務と法令がずれてしまうことがあります。


法改正があると、就業規則、雇用契約書、労働条件通知書、社内の運用方法まで見直しが必要になる場合があります。

2024年4月からは、全ての労働者について就業場所・業務の「変更の範囲」の明示が追加され、有期契約労働者には更新上限や無期転換に関する明示事項も追加されました。



第15条(労働条件の明示)


第十五条 使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。この場合において、賃金及び労働時間に関する事項その他の厚生労働省令で定める事項については、厚生労働省令で定める方法により明示しなければならない。


② 前項の規定によつて明示された労働条件が事実と相違する場合においては、労働者は、即時に労働契約を解除することができる。


③ 前項の場合、就業のために住居を変更した労働者が、契約解除の日から十四日以内に帰郷する場合においては、使用者は、必要な旅費を負担しなければならない。


引用元:労働基準法 | 第15条



このような改正があると、採用時に交付する労働条件通知書や雇用契約書の記載内容、社内で使用している書式を見直す必要があります。



社内だけで抱え込まず、必要に応じて社会保険労務士へ相談しながら進めるほうが、実務上は進めやすい場面も少なくありません。


労務トラブルの課題


労務管理が十分でない場合、最終的には労務トラブルとして表に出やすくなります。

代表的なものとしては、以下が挙げられます。



  • 未払い残業代

  • 長時間労働

  • 解雇や退職をめぐる行き違い

  • ハラスメントへの対応不足


こうした問題は、ある日突然起こるというより、日々の管理不足が積み重なって起きることが多いものです。

勤怠記録が不十分、就業規則が実態に合っていない、相談窓口がない、上司ごとに対応が違うといった状態が続くと、従業員との認識のずれが広がりやすくなります。


トラブルが起きてから対応するのは、時間も手間もかかります。

だからこそ、普段から勤怠記録や賃金の計算根拠、就業規則、社内ルールを整理しておくことが大切です。


労務管理の課題を解決する方法



労務管理の見直しに役立つ方法は、次の通りです。



  • 労務管理体制を見直す

  • 勤怠管理のデジタル化を行う

  • 労務管理システムを導入する

  • 労務の専門家を活用する


労務管理の課題は、1つの方法だけで一気に片づくとは限りません。

社内のルール整理、日々の記録方法の見直し、システム活用、専門家への相談を組み合わせることで、負担を減らしながら整えやすくなります。

ここからは、それぞれの方法を順番に見ていきましょう。


労務管理体制を見直す


まず取り組みたいのは、いまの労務管理がどのように動いているかを整理することです。

勤怠の記録、残業申請、給与計算、入退社手続き、社会保険や労働保険の届出などが、誰の担当で、どの順番で進んでいるのかを確認します。


こうした整理ができていないと、担当者しか分からない業務が増え、ミスや漏れが起きやすくなります。

また、残業申請のルールがあいまいなままでは、実際の勤務時間と申請内容がずれやすくなるため、就業規則や社内ルールも、現場の実情に合っているかを点検しておくことが大切です。


体制を見直す段階では、業務の流れを見える形にし、確認する人、承認する人、保管する書類をはっきりさせましょう。

土台が整うと、その後のデジタル化や外部相談も効果を出しやすくなります。


勤怠管理のデジタル化を行う


紙の出勤簿やExcel中心の管理では、打刻漏れ、転記ミス、集計遅れが起きやすくなります。


そのため、勤怠管理はデジタル化することで、出退勤の記録や残業時間を自動で集計でき、管理の負担を減らすことができます。


たとえば、ICカード、スマートフォン、PC打刻などを使えば、記録がそのまま残りやすく、確認もしやすいです。

残業時間が増えてきた従業員を早めに把握できるため、長時間労働の予防にもつながります。


ただし、システムを入れるだけでは十分ではありません。

打刻漏れが起きたときの直し方や、自己申告が必要な場面での社内ルールも合わせて整えておくことが大切です。

運用まで含めて見直すことで、安定した勤怠管理が可能です。


労務管理システムを導入する


労務管理システムを導入すると、勤怠、従業員情報、社会保険や雇用保険の手続き、書類管理などをまとめて管理することができます。

とくに、勤怠データと給与計算を別々に管理している会社では、連携不足がミスの原因になりがちです。

そこで労務管理システムを使って情報を一元化すると、同じ内容を何度も入力する手間が減り、作業時間短縮につながります。


たとえば入退社の手続き、従業員情報の更新、書類の保管などです。


導入時には、自社の就業規則や給与体系に合うか、必要な機能がそろっているかを確認しましょう。機能が多いだけでは使いこなしにくくなるため、現場で無理なく回せる内容かどうかまで見ておくと安心です。


労務の専門家を活用する


社内だけで対応しきれない場合は、労務の専門家に相談する方法があります。

労務管理は日々の実務だけでなく、法令、書類、手続き、トラブル予防まで関わるため、判断に迷う場面が少なくありません。


専門家に相談すると、いまの運用のどこに問題があるのかを整理しやすくなります。

就業規則の見直し、勤怠管理の整備、給与計算の流れ、社会保険や労働保険の手続きなど、社内だけでは進めにくい内容も相談することができます。


労務の相談先として考えられる主な相手は、次の通りです。



  • 社会保険労務士事務所

  • 働き方改革推進支援センター

  • 経営コンサルタント

  • 弁護士・法律事務所


相談先ごとに得意分野や対応範囲は異なります。

日常の労務相談なのか、体制の見直しなのか、すでにトラブルが起きているのかによって、相談先を使い分けると進めやすくなります。

主な相談先や特徴、向いている場面はそれぞれ以下の通りです。


相談先向いている場面主な相談内容特徴
社会保険労務士事務所日常的な労務管理を継続的に相談したい場合・労働時間管理の整備・就業規則や社内ルールの見直し・労務トラブルの初期対応・社会保険、労働保険の手続き・労務管理の実務に詳しい・中小企業の相談実績が多い・継続的な顧問相談が可能
働き方改革推進支援センターまず無料で相談したい場合や、課題を整理したい場合・人事労務管理の見直し・労務トラブル予防の整備・働き方や業務の進め方の見直し・無料で相談できる公的機関・中小企業でも利用しやすい・地域によっては訪問相談も可能
経営コンサルタント労務管理を経営改善の一部として見直したい場合・人件費管理・組織運営の見直し・労務管理体制の立て直し・経営全体の視点から助言を受けられる・組織や業務分担まで含めて整理できる・事務所ごとに得意分野が異なる・国家資格ではないため、事務所ごとに得意分野や品質が異なる
弁護士・法律事務所労務トラブルが発生している場合や法的対応が必要な場合・従業員との労務トラブル・未払い残業代請求への対応・解雇や退職をめぐる問題・労働審判や訴訟への対応・ハラスメント問題・労働組合への団体交渉対応・法的観点から判断できる・交渉や手続きの代理が可能・労働審判や訴訟に対応できる

なお、私たち社会保険労務士事務所ダブルブリッジでも、企業の労務管理を継続的にサポートする顧問契約や、人事労務に関するご相談に対応しています。


継続的に労務相談ができる体制を整えておくことで、トラブルの予防や早期対応につながります。


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労務管理の課題を相談する前に整理しておくべきこと



相談前に整理しておきたい内容は、次の通りです。



  • 現在の労務管理の課題

  • 現在の労務管理の方法

  • 現在の労務管理ルール

  • 労務管理に関するデータ・資料


ここからは、相談前に確認しておきたいポイントを順に見ていきます。


現在の労務管理の課題


まずは、何に困っているのかをはっきりさせることが大切です。

たとえば、残業時間の集計に時間がかかる、打刻漏れが多い、有給休暇の管理が追いつかない、担当者の負担が大きいなど、日々感じている問題を書き出してみましょう。


このときは、漠然と「大変」「回っていない」と考えるだけでなく、どの業務で、誰が、どのように困っているのかまで整理しておくと相談しやすくなります。

たとえば「月末だけ給与計算が極端に忙しい」「申請漏れで残業時間の確認が遅れる」など、場面が見える形にすると改善点も見つけやすくなります。


現在の労務管理の方法


次に、いまどのような方法で労務管理をしているのかを整理しましょう。

紙の出勤簿を使っているのか、Excelで集計しているのか、勤怠システムを一部だけ入れているのかなど、実際の流れを確認しましょう。


あわせて、誰が入力し、誰が確認し、誰が承認しているのかも見ておきたいところです。

たとえば、現場では紙で記録し、総務でExcelに転記している場合は、そうした業務の途中でミスが起きやすくなります。

方法が複数混ざっているときは、全体の流れを書き出しておくと問題点が見えやすくなります。


現在の労務管理ルール


現在のルールが、実際の運用と合っているかも確認が必要です。

就業規則、残業申請のルール、有給休暇の取り方、遅刻や早退の扱いなどが、社内で統一されているかを確認しましょう。


書類上はルールがあっても、現場では別のやり方で動いていることがあります。

そうしたずれがあると、勤怠管理や給与計算で混乱が起きやすくなります。

相談前には、決まりとしてある内容と、実際の運用がどうなっているかを分けて整理しましょう。


労務管理に関するデータ・資料


相談時には、現状がわかる資料をそろえておくと話が進めやすくなります。

たとえば、以下のデータや資料です。



  • 勤怠データ

  • 残業時間の記録

  • 有給休暇の管理表

  • 就業規則

  • 雇用契約書

  • 労働条件通知書など

  • 36協定や給与計算の資料

  • 社会保険や労働保険の手続きに関する書類


以上のデータや資料を整理しておくと、相談先も現状を把握しやすくなり、話が具体的になりやすくなります。

結果として、自社に合った見直し方を考えやすくなります。


労務管理の課題に対応するための相談先を選ぶときのポイント



労務管理の相談先を選ぶときに確認したい点は、次の通りです。



  • 専門性を見る

  • サポート範囲を見る

  • 契約内容を見る



ここからは、選ぶときに見ておきたいポイントを順に解説します。


専門性を見る


まず確認したいのは、相談したい内容に合った知識と経験があるかどうかです。

労務管理といっても、以下のように内容はさまざまです。



  • 勤怠管理

  • 給与計算

  • 就業規則

  • 社会保険手続き

  • 従業員とのトラブル対応など


たとえば、日常の労務相談や就業規則の整備、社会保険や労働保険の手続きについて相談したい場合は、社会保険労務士事務所が向いています。

一方で、労働審判や訴訟まで見据えた対応が必要な場合は、弁護士へ、人件費や組織運営まで含めて見直したい場合は、経営面が得意な相談先が合うこともあります。


相談先を選ぶときは、名前の知名度だけで判断するのではなく、自社の課題に近い相談を扱っているかを見ることが大切です。

課題に合った相手へ相談できると、話も早く進みやすくなります。


なお、私たち社会保険労務士事務所ダブルブリッジは、顧問契約による継続的なサポートだけでなく、人事労務の個別相談、就業規則の整備、給与計算のアウトソーシング、助成金活用のご相談まで幅広く対応しています。


自社に合った相談先を探している場合は、対応範囲も含めてお気軽にお問い合わせください。


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サポート範囲を見る


次に見ておきたいのは、どこまで支えてもらえるかです。

相談先によっては、助言だけで終わる場合もあれば、就業規則の見直しや手続き、運用の整備まで一緒に進めてくれる場合もあります。


確認しておきたい内容は、次の通りです。



  • 就業規則の作成や見直しまで対応しているか

  • 社会保険や労働保険の手続きまで任せられるか

  • 勤怠管理の流れづくりまで相談できるか

  • 労務トラブルを防ぐための社内整備まで見てもらえるか


相談後に自社だけで進めるのが難しい場合は、助言だけでなく、実務の整備まで見てもらえる相談先のほうが進めやすくなります。


契約内容を見る


最後に、契約内容も確認しましょう。


一度だけの相談で済む内容もあれば、就業規則の整備、勤怠管理の見直し、法改正への対応など、継続して確認したほうがよい内容もあります。

日々の運用まで整えたい場合は、単発相談だけでは足りないこともあります。


また、料金の考え方や、どこまでが契約に含まれるのかも事前に見ておくことが大切です。

費用だけで比べるのではなく、何を頼めて、どこまで見てもらえるのかを合わせて確認すると、自社に合う形を決めやすくなります。

労務管理は一度整えたら終わりではなく、運用し続けることが大切なので、話しやすさや継続のしやすさまで含めて考えることが重要です。


労務管理の課題は放置せず、早めに専門家へ相談しよう!



労務管理の課題は、日々の業務の中で少しずつ積み重なっていきます。

勤怠管理のずれ、残業時間の確認漏れ、有給休暇の管理不足、就業規則と実際の運用の食い違いなどは、最初は小さな問題に見えても、そのままにすると会社全体へ影響が広がりやすくなります。


だからこそ、違和感がある段階で早めに見直すことが大切です。

まずは、自社でどの業務に負担がかかっているのか、どのルールが現場と合っていないのか、どの資料が不足しているのかを整理しましょう。


私たち社会保険労務士事務所ダブルブリッジでは、企業の人事労務に関するご相談を随時受け付けています。


制度設計や就業規則・各種規程の条文作成、労働基準監督署への対応なども含めて、一連の流れを見直したい企業に寄り添っています。


日々の労務管理を整えたい企業が相談しやすい体制を整えている点も特徴です。


社会保険労務士4名を含む9名の専門スタッフが在籍しており、実務に即した支援につなげています。


労務管理に不安がある場合は、問題が大きくなる前にぜひお気軽にお問い合わせください。


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